2020.06.17
水平に、垂直に、そして斜めに読む
現代では音源を容易く手に入れることができます。
曲に取り組む手がかりとして便利な一方で、
最も重要な
“音読み&譜読み”が億劫になってしまっては
もったいないですね。
音をなぞるだけでは、
“徒然なる音楽”・・・。
私が心がけているのは、
楽譜を楽しく読む=宝探し
そして
響きに耳をすまし、音色の種類を増やすこと。
読譜(どくふ)は、
“ラクラク&とにかく楽しい!活動”
ではないものの、
「今日はコレ!」という明確な学びを
得られます。
楽譜を読めるようになるには段階があります。
音を垂直方向(縦)に読むことから始まり、
水平方向(横)にも読めるように。
さらには、副次的な声部(斜め)のラインを
波形として表現できるようになります。
日常的に取り組むことができれば、
決して気の遠くなるようなことではありません。
目の前の課題曲の一部分で試してみると
すぐに小さな効果を実感できます。
具体的には
楽譜を一緒に見て、様々な声部の間の風通しを
良くしてから一つのパッセージを喋ります。
「弾けな~い」と嘆く前に
そもそも“喋れるでしょうか?”
レッスンでは、メトロノームと口を使った
「滑舌ハッキリ大会」を催します。
これは早口言葉大会?と見紛うばかりの
強者も♡
本気を出すとけっこう楽しい!
重要なのは、
目が追いつくことができるテンポから
始めること。
“読めるテンポ”=“弾けるテンポ”
このように弾ける練習を重ねつつ、徐々に
負荷を上げていく方法が最も有効です。
口&指を動かす練習に移ったら
くれぐれも“スピード違反”などの飛ばし屋さんに
ならないでくださいね。
安全に走りきることができるテンポで
風景を味わいつつ、徐々に加速をお願いします。
こうして先へ先へと目が動くようになると
一瞬にして楽譜を各声部ごとに見られるようになります。
冒頭の内容に重ねますが、
ひたすら真似(暗記)に走るのではなく、
生徒さんが自ら段階を踏むこと。
このサポートをすることが私の喜びです。